予防法や改善方法とは?
自律神経の乱れを整える対策
自律神経が乱れている人、乱れやすい人へ、なんといってもストレス対策を行いましょう。
そんな中でも日常生活ですぐできる簡単な対策を紹介します。
不規則な生活を改善(体内時計を整える)
残業や飲み会が続いてなかなか早く帰れない・・・夜遅く食べてしまい、ついつい朝食を抜いてしまう・・・
帰宅してもついゲームやインターネットをしてしまい寝るのが遅くなってしまう・・・
このような生活が続くと、生活リズム(体内時計)が乱れてしまう恐れがあります。
体内時計と実際の時間とズレが大きくなると、ホルモンバランスが崩れたり、自律神経が乱れたりします。体内時計は生活リズムに大きく影響されます。
そして生活リズムの乱れによって、なかなか寝付けない、朝起きられない、寝ても疲れが取れないといった症状があらわれることも。
健康のためには、生活リズムを整え、体内時計を正しく機能させることが大切になってきます。
早寝早起きや、一日の食事時間を同じ時間帯、ある程度の一定量などに保つといった具合に規則的な生活リズムを目指しましょう。
ストレッチ
仕事中も定期的にストレッチ
ストレッチを行うと、脳には快感ホルモンともいうべきセロトニンやドーパミンが分泌され、心が落ち着いて疲れも取れ、ストレスの改善に役立ちます。
体を適度に動かして汗をかけば夜も眠りやすくなるため、ストレスもたまりにくくなります。
また、ストレスに弱い人は体力の衰えている人が多く、ストレッチなどを行えば体力向上の作用も同時に期待できます。
ウォーキング
ウォーキングもストレッチ同様に、セロトニンやドーパミンが分泌され、心が落ち着いて疲れも取れ、ストレスの改善に役立ちます。
大切なことは意識的にウォーキングをするということです。
通常の通勤時の歩く行為でも意識を変えていくことで、軽い運動として心地よいと思えたりしていくようになります。
また、他にも効果的なのが有酸素運動となります。
有酸素運動とは、ゆっくり走るジョギング、ウォーキング、エアロビクス、エアロバイク、ゆっくりした水泳などが有酸素運動です。
交感神経(活動神経)は激しい運動などで働き、副交感神経(リラックス神経)はリラックスや深い深呼吸などで働きます。有酸素運動は主に副交感神経を活性化させる運動です。
有酸素運動をしているときは、交換神経も働いていますが、同時に眠っていた副交感神経が活発に働き、自律神経のバランスが回復する効果があります。30分を目安に定期的に有酸素運動を実践するようにしましょう。
深呼吸(息を長く吐いて)
深呼吸もおすすめです。
いやな気分のときにため息をつく人、みなさんの周りにもいると思います。
これは体が無意識のうちにストレスを逃がそうとしているためです。
効率的な深呼吸法としては、特に息を吐く際に時間をかけること。
そうすることで交感神経優位状態から副交感神経優位の状態に自然と切りかわり入ります。
38~40度C程度のぬるめの湯に長くつかる
38~40度C程度のぬるめの湯に長くつかることによって得られる効果とは、浮力効果によって体全体の緊張が緩み、心がリラックスすることができます。
さらに、体を温めるということは、血の巡りをよくするという事です。それによって新陳代謝が活発になり、体内の老廃物や疲労物質を取り除いてくれます。
深く眠るためのカギとなるのがお風呂です。お風呂で温まったあと、1時間ほどでだんだん体温が下がってきますので、このタイミングで眠りにつくのが理想といえるでしょう!
人間の体は深く眠っている時に成長ホルモンをたくさん出します。そのため疲労回復や怪我をしたときの細胞修復も、深く眠っていた時のほうが早いのです。
自分の好きな音楽を聴く
音楽には精神的な負担を緩和する力があります
好きな音楽を聴くことにより精神的な負担を緩和することができ、仕事の効率化にも繋がります。
また精神的な癒し効果が高いと言われる、インストメンタルミュージックを聴くことも効果的だと言えます。普段の生活の中に音楽を取り入れることはいい効果をもたらすことにもつながり、自分の精神状態に合わせて聴く音楽を変えることで、その時の精神状態を大きくかえたりすることもできるのです。
このような効果が期待できることから、多くの場面で音楽を効果的に使用することが多くあります。
音楽のジャンルによってもたらす効果が変わるため、シーンに合わせて聴くジャンルを決めておくと良いかも知れません。
音楽は色々な効果を生み出すきっかけでもあり、手軽に使うことのできる精神安定剤のような役割があります。
好きな曲を聴いて元気が出たり、前向きな気持ちになる効果を実感したことがある人もたくさんいると言えます。
その日の自分の状態に合わせて色々な音楽を聴くようにしましょう。
笑うこと
笑うことは、「エンドルフィン」という脳内ホルモンの分泌を促進する効果があります。
エンドルフィンの分泌が促進されることで、精神的な安定やストレスの緩和効果を期待できます。
笑いが自律神経にもたらす効果は、世界の研究で明らかにされている。おかしくて大笑いできればいいが、ニッコリ「つくり笑い」でも効果があるという。そして同様に効果があるのが泣くこと。泣くことで副交感神経が優位な状態に切り替わる。
笑うことで脳波の「アルファ波」を増加すると言われております。
アルファ波は精神的にリラックスしている時に現れる波形であり、アルファ波が増加すると、集中力が向上したり、ストレスが鎮められたり、脳が活性化すると言われてます。
声を出して笑うことで副交感神経を優位に働くようになって、自律神経が整えられるようになります。自律神経のバランスが整えられるというのは、心のバランスも整えられるということでもあります。
好きなにおいをかぐ
好きなアロマオイルを嗅ぐと心が落ち着く
香りによって気持ちが変化する・古い記憶と香りとの結びつきに驚いた」なんて経験のある人も少なくはないはずです。
香りは生きる為の「本能」をつかさどる大脳辺縁系にダイレクトに訴えます。
さらにその中でも「嗅覚」の部分が一番初めに発生するので、五感の中でも最も本能的な感覚と言われています。
つまり「好きな香り・良い香り」を嗅ぐと本能に訴えかけるので心身ともに深いところからリラックスし、その結果自律神経を整えることに繋がります。
できればアロマやお香などでしっかりとリラックスする時間を作れると望ましいです。
また寝る前に好きな匂いで部屋を満たせば、自律神経が整って質の良い睡眠をとる事ができます。
大事なのは「好きな香りに包まれる時間」を意識的に設ける事です。
食生活の見直し
食事をなるべく決まった時間にとることで、体内時計が正常になります。
食事は1日3食とるようにしましょう。朝食をとることで、心身の活動に必要なエネルギーを得られます。
また、朝食をとることにより交感神経への切り替えが行われ、身体(神経)を目覚めさせます。
ビタミンB群は神経の働きを正常に保つ働きがありますが、強いストレスが続くと急激に消費されます。
また、ストレスが加わると、副腎皮質ホルモンを分泌して全身の抵抗力を高めます。この合成に欠かせないのがビタミンCとなりますので、普段からビタミンCをたっぷり摂ることが、ストレス対策になります。
ビタミンAやEも、自律神経をコントロールし、症状を緩和させる効果があります。また、カルシウムはイライラを鎮め、不眠解消の効果があります。
日頃からバランスのよい食生活をすることが大切です。
バランスの良い食事とは、ご飯やパンなどの主食、肉や魚などの主菜、野菜や海藻などの副菜、スープや味噌汁などの汁物の4構成を意識した食事をすることです。
治療方法
心理療法
カウンセリングなどの方法を通して自分自身のことや原因となっている事や心理的背景を理解します。
まずは自分の問題に自分で気がつくことが重要で、治療はその手助けをするのです。
心理的な問題点やストレスを取り除くことを目的とします。
生活指導
自己管理によるライフスタイルの見直しなど。
生活リズムや食生活の改善など。定期的な運動の習慣などをアドバイスします。
理学療法
マッサージや指圧、ストレッチなどを行い肩こりなどの症状を緩和させます。
接骨院や整骨院にて、指圧やマッサージ、お灸、ストレッチなどの理学療法も効果的と言われています。
東洋医学を専門としている接骨院や整骨院での治療で効果が期待されます。
マッサージや指圧、お灸などは、身体の血の巡りをよくし、ホルモンバランスを整えることができます。
接骨院などで身体の歪みを矯正し、血流を良くすることもできます。
根本改善を目指すなら柔道整復師の国家資格を持つ接骨院や整骨院がおすすめです。
また、接骨院や整骨院では、呼吸改善、内臓調整、顎や頭の骨を矯正する事も可能です。
薬物療法
自律神経の機能を調整する薬や抗不安薬などを用います。
イライラや不安などの精神面での不快症状を取り除くことを目的とします。
病院では患者さんの症状に合わせて、以下のような薬を処方します。
精神安定剤 (抗不安剤) | 自律神経の緊張を緩和させ、不安や緊張を和らげる薬です。 副作用は眠気やめまい、脱力感など。 |
自律神経失調製剤 | 自律神経の中枢に直接作用して、安定をはかる薬。 原因に精神面が関与しない場合に効果的。 副作用は少なめ。 |
ビタミン剤 | 自律神経のバランスを整えるビタミンA、B群、C、Eを処方します。 他の薬との併用が基本です。 |
ホルモン剤 | 更年期障害の女性や卵巣を摘出して、ホルモンバランスが崩れた女性に、女性ホルモンを補充することで症状を抑えます。 |
抑肝散 | イライラ、神経の高ぶり、不眠症などを抑えます。 |
黄連 | 精神の不安を抑え、胸のつかえや下痢などにも効果があります。 |
芍薬 | 神経の緊張を和らげ、高まった血圧や筋肉の興奮を抑制します。 |
睡眠導入剤 | 大脳辺縁系や脳幹網様体と呼ばれる部分の神経活動を抑えます。 |
抗うつ剤 | 脳内でモノアミンと呼ばれる神経伝達物質を増やす作用が認められます。 |
身体症状を改善させるためにはのお薬と、精神面を安定させるお薬を組み合わせて治療していくことも多いようです。
自律訓練法
自律訓練法とは、リラックス状態をイメージして、少しずつ身体の感覚にしみこませていきます。
簡単に言えば自己暗示によって不安を解消する方法です。
副作用も特にないので日頃のストレスを和らげるためにもとても有効です。
医療に限らず教育やスポーツなどさまざまな分野でも取り入れられたりしています。
瞑想
瞑想の効果は単に“リラックスできること”だけではなく、心身のパフォーマンスを高めることも期待できます。
最近では世界で活躍するスポーツ選手や、いわゆる「成功者」と呼ばれる人々も積極的に取り入れている方法です。
簡単な方法としては、
楽な姿勢で座り(座るのは椅子でも床でも座布団の上でもかまいません)、目を閉じてなるべく何も考えないようにします。呼吸に意識を集中し、吸うときの倍の時間をかけて息を吐くようにします。新鮮な空気をいっぱいに吸い込んで、自然に吐き出すイメージです。
呼吸に集中することで脳が休息できます。
瞑想の効果(目的)は、
・リラックス状態を作り出せる
・ストレスホルモンを軽減できる
・不眠の解消になる
・思考が前向きになる
・瞑想は短い時間から無理なくはじめるようにする
まずは無理なく短い時間からはじめ、「心地よい」と感じる時間だけ行うようにしましょう。
予防法や改善方法 まとめ
自律神経失調症は、原因や症状の程度などが個人によって異なります。
身体的症状がはっきり出ている場合は、早めに医師に正しく診断してもらい、自分に合った正しい治療を行いましょう。
自律神経失調症の症状を見逃さず、日常から意識して変えていけるところ(気持ち)は、負担なく出来る範囲で取り組んでいきましょう。
早期に適切な治療をすることで心身ともに健康を取り戻すことができます。